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第1章ー2

Q2地方都市の衰退は中心市街地の空洞化することか?
A2
①一人当り,米1石の昔の人口ー人口4,000万人,米生産は4,000万石一
少し長く,明治中期の1880年代から昭和の終期の1980年代までの20世紀,100年間における日本の国土構造の変化を見てみましょう。1900年,20世紀の初頭の日本の人口は4,000万人足らずでした。米の生産も4,000万石,一人1石の計算で4,000万人の人口が生活していました。それが,100年後の2005年に日本の人口は約1億2,700万人と3.2倍に膨張し,年率1%を超える人口の増加が続いて,世界第10位の人口大国になりました。100年前の全国の人口分布は,東京府,大阪府,京都府の3府を除くと,各県人口はその県の生産力,米の生産に依存したものであり,人口は県別に大きな格差はありませんでした。
 
②100年前の人口は新潟県が一番,東京は二番であった
1880年代に日本で一番人口が多かった県は,実は新潟県でした。
上位10位は,一番が新潟県,2番が東京府,3番が大阪府であり,兵庫県,愛知県,広島県,福岡県,長野県,千葉県,岡山県と続いていました。本土では最大の新潟県が167万人と最小の宮崎県が41万人との格差は,4倍程度であり,道府県の人口配分は米の生産量に応じて均衡していていたのです。それから100年後の2000年には,東京都は1,180万人と7.6倍に拡大しているのに対して,鳥取県では69万人から62万人と0.9倍に減少しており,最大の東京都と最小の鳥取県では20倍の格差が生じてしまっています。そして,都道府県間に大きな格差が生まれてしまったのです。
 
③100年後は東京圏が一人勝ちになる
2000年に上位10県は,1番東京都,2番大阪府,3番神奈川県,以下愛知県,北海道,兵庫県,埼玉県,千葉県,福岡県,静岡県と続き,東京圏,大阪圏の上位展開とは反対に,広島県,長野県,岡山県は10位から脱落し,1番だった新潟県ですら10位からも脱落し,その地方圏では人口は,ほとんど増えていないのです。東海道の中央に位置し,立地条件に恵まれた静岡県が10位に顔を出しています。人口密度を見ても,1平方キロメートル当たりの人口は,全国平均では,東京都を除く全国で101人から290人の2.9倍に対して,東京都は727人から5,471人と7.5倍に膨張し,1900年の7.2倍の差から2000年には19倍の差にまで広がり,大都市圏への集中が激化して,大都市の東京と地方都市の間に大きな格差が生まれてしまっています。
 
④東京23区の一人勝ち一大都市圏の拡大と地方都市の衰退は歴史の流れ一
県庁所在地の中心都市を比較しても,100年間で旧東京市(東京23区部)では,100万人から1200万人と12倍に拡大しており,大阪市,札幌市,名古屋市,京都市,広島市,福岡市などの地方中核都市も数倍に増加しているのに比べて,その他の県庁所在地の都市には,やはり,目立った増加は見えていません。100年間,地方圏は人口を放出し,大都市圏が吸収する関係が続いて,100年間で地域格差はきわめて大きくなっているのです。大都市圏の拡大と地方都市の衰退は,長期の歴史的な流れなのです。
 
⑤2005年の国勢調査では人口の転換期
ごく最近の2005年の国勢調査を見ると,この5年間に東京圏を除くすべての地域での人口が減少しています。20世紀100年間の人口動態では,約4,000千万人から約1億2,700万人へ,3.2倍の増加をしましたが,20世紀後半の時代,特に都市化が進展,加速し,大都市圏への人口の激しい集中が進み,過疎過密問題が惹起されました。しかし,それも21世紀初頭で終わり,2005年は,人口構造の転換時点であり,先行き人口の減少が現実化していくことが実感されています。
 
⑥現実化する少子高齢化社会への流れ
先行きの人口予測では,2050年には,1億2,700万人から1億人へ約3,000万人の減少,人口構成は,65歳以上の高齢者が3人に一人,75歳以上の高齢者は5人に一人に増加する,まさに少子高齢化社会が現実化すると見込まれています。20世紀,3.2倍に増えた人口が逆に21世紀半ばには,0.8倍に減少するということになります。世帯数も2015年がピークで,2025年には,4964万世帯になりますが,単身高齢者世帯が増加して,2030年に東京圏ではほぼ2倍に,地方圏では1.5倍に増加すると予測されています。
地域別の先行きの人口で見れば,東京圏のみが3300万人程度で人口が横ばいで維持されるのに対して,その他に地域は大きく減少していきます。東京圏の一人勝ちです。故郷,沼津市の人口も17,8万人に減少するのは必至なのです。
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⑦経済も東京圏一極集中の傾向へ
経済機能を中心とする都市機能は,大都市,とりわけ東京圏へ集中して,一極集中がいっそう進みそうです。同じ大都市圏でも,大阪圏も,名古屋圏の人口は減少し,過疎過密の解消,地域の均衡ある発展という掛け声は,全国700都市の実態を見ると掛け声倒れに終わりそうです。中心市街地の衰退,空洞化,経済活動の停滞の動きは,なによりもマイカー時代が到来し,さらに地価高騰の中で人口が郊外へ流出して,便利な郊外生活を選択したためです。大型スーパー,大病院,学校等の公共公益施設が郊外に立地し,中心市街地の機能は年々低下していっています。大都市の東京圏でも同じ,東京の中心は,かつては下町でしたが,年々郊外化が進んで,現在の東京の中心地は,昔の郊外地,山の手の世田谷,杉並,三多摩に移っています。中心市街地の衰退は,東京でもあったのです。
 
⑧リゾートもデズニーランドの一人勝ち
交通・通信手段の発展,つまりマイカーや新幹線が普及したことで,日本中が一つの地域のなってしまっています。誰でも自由にどこにでも行ければ,一番いいところに行きたいと思うのは当然です。都市施設は,一点集中,一点豪華主義になり,リゾートでも年間1,000万人も集客できる東京デズニーランドの一人勝になっています。リゾート開発ブームに乗った北海道のトマム,九州のシーガイア,ハウステンボスも競争に負けてしまい負債の山を作りました。
 
⑨沼津のお母さんも買い物を車京へ向う
沼津の町も,お母さんたちの大きな買い物は東京へ向かいます。商店街は魅力を失い,昼間から人通りは少なく、店は夕方には早々と閉まってしまう。街中から大型店舗も,有名レストランも撤退してしまっているのです。
 
⑩増える財政破綻の地方自治体
人口減少,高齢化,経済の低迷の中で地方都市の経済,財政が悪化しており,先行き財政困難はさらに進むでしょう。無謀な投資を進めた結果の財政破綻は,マスコミ等で話題の北海道の夕張市だけではありません。悲惨な財政事情で,中央では地方の自立を進めるために,三位一体の改革が進んでいますが,いまだに地方自治体の「中央頼み」,「箱もの頼み」,「リゾート頼み」の姿勢は変わらないようです。まだ公共事業で再生を図ろうとする動きは崩れていないようです。財政悪化の中で,三位一体の改革がどう進むのか,地方都市が自立できるのか,そして民主主義地方自治が機能するのか,今それが問われています。
 
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