山下富美子議員(同)は、沼津駅周辺総合整備基金について質問。
十八年度決算額の基金二百二十八億円のうち、現金は百二億円、貸付金百三十二億円、債務マイナス六億円という数字を挙げ、「平成元年から貸付金で買ってきた土地の購入時の価格と現在の評価額との差はいくらか、含み損を含めた返済方法はどうするのか」と尋ねた。また、「誰に貸し付け、将来誰が使うのか、その金額、利払い、返済金額などの条件はどうなっているのか、それを明記した契約書のようなものはあるのか」と質問。
加藤裕孝・沼津駅周辺整備事務局長は、昭和六十三年に条例を制定して定めた基金は同事業促進用地取得のために土地取得事業特別会計、市街地再開発事業特別会計に利用していること、貸付金で取得した土地は事業用地、地権者への代替地、土地区画整理事業の促進用地などで活用していること、貸付は依頼文書をもって無利子で貸し付け
ていることを説明し、「基金の貸付金額については土地の実勢価格にかかわらず変わらないものだ」とした。
貸付金の返済については「事業完了までには順次返金されるものと認識している」と答えた。
山下議員は、「(答弁では)契約書のことは何も触れていなかったものと思う。百三十二億円の税金を財務上の規定なくして右から左に動かすというのは市民感覚からかけ離れている。貸付金は全額戻るということだが、この件に関して含み損の一例を挙げる」として、貸付金により総合整備事業用地として取得した不二家跡地について、「平成二年に七、四三五平方材を坪当たり百八十九万円、総額四十二億五千万円で取得したが、現在の価値は坪四十九万円、合計十一億円で三十一億五千万円が市の損失となっている」と指摘。
「事業が進む中で、この含み損がかなりの額で今後生じてくると思う。基金を戻すにはどのような名目で戻すかが重要になってくる。不足分は一般会計から戻すのか。将来に向け市の財政に深刻な事態を与えることを考え、今後に残された課題は重要だ」とただした。
また十一月十五日号の広報沼津に記載されている基金の説明について、「基金は言い換えれば貯金であり、借金を帳消しにするものと市民は理解していると思う。いいことも悪いことも全て公開した税金の使い方をすべきだと思う。現金以外の貸付金が存在することは、大きな誤解を生じることになる」と質問。
加藤事務局長は依頼文書をもって貸付を行っていると答え、「沼津駅周辺総合整備基金の金額は現金と貸付金額の合計額である」と繰り返した。
山下議員は「契約書のようなものがあるということだから、今後その文書を見せていただく」とした。
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