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第3章ー4

Q42030年の沼津市の姿はどうなるか?

A4

①想像もできない20年後の姿

1)沼津の地名も存続するのか?

そもそも,鉄道高架化事業の完成には,都合よく見積もっても20年かかるということですから,2030,鉄道高架化が完成する時だという将来の沼津市と東部地区の姿がどうなっているかを考えて、都市づくりを考えなければならないでしょう。その時に,沼津市という地名がはたして存続しているかどうかですら疑問です。

 

2)沼津市の人口は20年以前から減少に転じる

2005年は、日本の人口の転換点,歴史的に増加を続けてきた日本の人口が始めて減少に転じた時です。日本全体では,人口減少,少子高齢化社会は避けられないでしょう。東部地域全体では2000年時点でも人口は微増ですが,楽観はできません。沼津市は20年以前の1985年から減少に転じているのです。

 

3)今後の20年間の動向をよく見据えよう

2005年の国勢調査では,2000年に比べて,人口が減少した都市は750市の内452市、7割の都市で人口が減少しているようです。

沼津市の人口も,都市計画では,横ばいから,やや増加するという前提になっていますが,それは現実的ではありません。人口が減少する21世紀では,人口が急激に増加し,周辺へ分散していった過去の都市像も大きく変わるでしょう。沼津市でも,郊外から都心への人口回帰も起こり,人々は再び都心に居住し,逆に郊外市街地が縮小し、土地利用はコンパクトシティーの方向に向かいます。当然なことに、交通量にも変化があり,東駿河湾道路が完成した後には、沼津市の南北の道路交通は激減するに違いありません。南北交通がどうなるのか,しっかり見据えておく必要があります。

 

②将来の日本の姿一人口減少、少子高齢化社会の町ー

1)現実化してきた日本の人口の減少

まず,日本全体の将来の姿を見ましょう。「2030年の日本」と政府が想定している2030年の日本の姿は,少子高齢化が進んで人口は減少し・2005年のピークの12,800万人が12,100万人と700万人・マイナス55%の減少だと想定されています。65歳以上の高齢者人口が人口比で20%から30%に増え,生産年齢人口(15歳から64歳まで),8,450万人から7,260万人と1,190万人,人口比は66%から60%にまで減ります。100人中60人の大人が働き,30人の高齢者と10人の子供を養うという社会像になります。

 

2)経済の低迷はなお続く

経済のGDPは、働く人口の減少により鈍化が進みますが,やや楽観的に見て、生産性の向上に期待して,1%程度の成長が維持できるとして、現在の500兆円から1.22倍の610兆円,国民所得は年率17%で増加するとして,1.41倍の535兆円,勤労世帯の標準的な年収は,560万円から850万円と1.5,年率1.51%程度の成長があると想定されているようです。かなり楽観的だと思いますが、10年で3倍にも所得が増えた高度経済成長期とは大違いなのです。

 

3)消費税の引き上げはやはり必至になる

,年金,医療,福祉などの社会保障費は,88.5兆円で国民所得の23.5%を占めていますが,これが高齢者層の増加もあって,1.72倍の152兆円に,国民所得の28.5%にまで増えるようです。

会社員が払う保険料が年率12%から15.9%に増加して,税金で負担する扶養コストの増加分を消費税で支払うと,消費税の税率は,今の5%14%に引き上げざるを得ないという計算になってきます。

 

4)悲劇的な国,地方の公共機関の借金

国の債務は840兆円で,地方の債務を加えると公共機関の借金は1,000兆円を超えています。金利が上がれば,3%でも年間30兆円,1,000兆円を50年で返すならば,年間20兆円の返済,合わせて年間50兆円もの債務が生まれることになります。まさに悲劇的な財政赤字で,歳出の削減は避けられず,特に公共事業には厳しい削減の道が待っているでしょう。緊急性がなく,投資効果が薄い事業の採択は難しくなるでしょうし,「沼津駅周辺総合整備事業」もその先行きにはやはり楽観はできません。

 

③衰退必至の地方都市,そして元気のない田舎町の沼津

1)人口が1,2割減るのは覚悟

沼津市の人口は,2005年戸田村の合併を入れても21万人足らず,すでに減少の過程にある人口減少を食い止めることは難しいでしょう。2025年に全国地方都市の平均の10%の減少があるとしたら,2025年の沼津市の人口は18万人足らず,当然ながら経済も,市の財政も,土地利用も,交通量も人口減少,経済の停滞の中で減少していくでしょう。沼津駅を南北する自動車交通量も減少し,交通混雑も緩和されかもしれません。このことは,鉄道高架化事業の成否を左右するものですし,投資効果を決める要素になります。

 

2)やれない沼津モンロー主義の都市計画

東部地区が一体になった広域都市圏が形成されて,新しい広域都市が誕生すれば,都市計画も土地利用も,広域的な視点から作られることでしょうし,沼津駅周辺が中心性を維持することができるのか,交通の中心であり続けられるのかも考えて見なければならないでしょう。人口約20万人の広域都市にとって,沼津駅周辺だけの鉄道高架化にどのくらいの価値があるかです。沼津だけのことを考えたいわゆる沼津モンロー主義的な都市づくりは,もう,やれないはずです。

 

(沼津市の財政問題,鉄道高架化事業を進めた場合に生じる市民の利益と負担がどうなるのかは,後で説明しましょう。)

 

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