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沼津市役所都市計画部 静岡県庁都市基盤部都市局街路整備課 沼津土木事務所御中

   沼津市役所都市計画部
 静岡県庁都市基盤部都市局街路整備課
 沼津土木事務所御中


川勝知事の沼津駅鉄道高架推進への発言を契機にまた、論議が高まるものと思います。私は、現在は沼津市民ではありませんが、沼津の出身であり、沼津の街に愛着を持つ、元沼津市民です。建設省に勤務した土地都市問題の専門家でもあります。この10数年、一市民、一専門家の立場で、故郷沼津の街づくりに関心を持ち、鉄道高架問題への発言をしてきました。行政、市民が、合理的で市民の利益を考えた街づくりへの論議が行われるように願っての、ささやかな市民活動だったと思います。無為に続いてきた鉄道高架論義も、もはや決着をつける最終段階にあり、今こそしっかりした論議が行われるように、私の知見を市民や行政にお届けしたい、少しでも参考にしていただきたいという思いで、最近のニュースで東京都心、JR三田駅と品川駅の間の13ヘクタールの鉄道用地の再開発事業が報道されておりますが、お調べかと思いますが、その話と、さらに最終段階にあって、知事、市長、議員、専門家、マスコミ、市民の活動への評価と期待について、私の見方をお話しし、お聴きいただきたく、この文を送らせていただきました。意のあるところをご理解いただき、お聴きくださるよう、よろしくお願いいたします。
  2014.7.29   
明海大学名誉教授 長谷川徳之輔
 


東京都心のJR再開発と沼津駅鉄道高架との比較、あまりに大きな格差

沼津駅鉄道高架事業は如何に意味がなく、無駄な事業なのかを、今進み始めている東京都心の鉄道用地の再開発と比較して見てみよう。山手線、京浜東北線、東海道線、京浜急行線、それに東海道新幹線が行き来する三田駅から品川駅の間に、広大なJR用地が広がっており、南北の交通は全く遮断されており、都心の都市活動が著しく阻害されているが、百数十年も放置されたままであった。鉄道線路を高架にしようなどと誰も考えてこなかったのであろう。
そこに、臨海部開発に関連したのか、この広大なJR用地に都市再開発の動きが出て、東京都やJR当局からその計画が発表されている。この地のJR用地13ヘクタール、三田駅と品川駅の間に山手線の新しい駅が設置されて、ここに8棟の160メートルの高さの超高層ビル、うち3棟のマンション、5棟のオフイスビルが建てられて、10万人もの従業者が働く新都心の街になるのだという。注目されるのは、自動車や歩行などの南北交通や地域内の交通は、用地の2階に道路、歩行者通路、駅前広場が作られて、南北自由通路で処理され、5本の基幹の鉄道はそのまま平地を走り、今2階を走っている京浜急行も1階部分、平地に下して運行することになる。はなから鉄道の立体交差など全く考えてはいない。コストの面からも土地利用の面からも、極めて合理的な計画を選択している。それでいて、その整備の費用は5000億円と計算されているという。その費用は、多分鉄道料金、都市再開発が生み出し、多額の公的資金、税金を使うものではあるまい。
他方、同じJR用地の沼津駅周辺鉄道高架、数キロの区間の鉄道高架事業だが、その費用の大半は公的資金、税金であり、静岡県民、沼津市民が負担するのである。土地利用面からも、出来上がったJR施設の用地に新しい土地利用は生まれない、JR鉄道運行の運行以外の商業活動も経済活動も予定されていない、鉄道の走行便益が増える訳でも、都市再開発に寄与するわけでもない。20年先に南北の自動車交通の便が良くなるかもしれないという利益だけである。それでいて、その総費用は2000億円だという。公的資金、税金であるが、その見返りはほとんどない。5000億円と2000億円、規模のスケール、その投資効果、新しい都市機能などから見て、あまりに格差が大きすぎる。沼津駅鉄道高架は無駄な事業の極致ではないのか。両者は同じJRの計画であり、どちらが効率的であり、どちらを優先するかはだれが考えても、すぐわかる話である。静岡県も、沼津市のもう一度頭を冷やして、もっと合理的に考えることであり、計画の評価を長いお付き合いになるJR当局によく聞いてみることである。

知事、市長、議員、役人、マスコミ、市民の姿勢を問う

川勝知事の沼津駅鉄道高架の推進か見直しかに関する判断にあたり、知事として諸情勢を観察し、鉄道高架の計画、事業を熟慮、熟考した結果、推進する決断をしたというのは、あまりに自分勝手な言い方であり、その言い分、姿勢は理解の外である。何をおいても、一番肝心な判断は、鉄道高架事業の目的、事業の効果、必要な費用、その負担などをどう見て、どう評価したのかの説明であり、それは何も説明されてはいない。政治力学からなのか、既得権に縛られているからなのか、只推進することに決めたというだけの学者らしからぬ実に乱暴な結論の出し方ではないのか。有識者会議やPI委員会の論議に留まらず、これまで積み上げられてきた論議や意見などを知事はどう理解し、評価しているのか、熟慮、熟考したというならば、具体的な数字もあげて、しっかり説明しなければなるまい。

県会議員や市会議員の政治家の判断はどうなのか、推進することに同意するという言は、ほんとに県民、市民の利益と負担を十分に知った上での判断なのか、体制への付和雷同、既得権の擁護や過去のしがらみに囚われた政治家の事なかれ、利害損得の立場からの主張ではないのか。経済社会の大変動の中で、財政が窮迫している人口20万人足らずの地方都市に2000億円もの新規投資ができるし、やるべきであると、自分の意見として本心からそう考えているのだろうか。議員一人一人の意見を聞いてみたいものだ。

都市計画、街づくりの専門家、プロたち、国、県、市には役人として、その知見を発揮する人材がそろっている筈である、街づくりへの知識、経験が十分で公正な評価、判断ができるプロフェショナルである。この10数年、鉄道高架の計画づくり、事業実施について、プロとして、彼らは何をしていたのか、内心忸怩たる意識はないのか、政治が混迷する今だからこそ、専門家プロとしての、見識を発揮すべきだと考えないのか。

適切な世論を形成するのは、メディア、マスコミがどう報道するかにかかっている、本来マスコミには公平公正で中立的な立場が求められるものの、自らの判断、評価をすることもマスコミの重要な役目であろう。それには、しっかりした取材と分析評価する知見が欠かせない筈だ、地方の記者は若くて、経験不足であるのは否めないが、鉄道高架に関する体制の報道をただ伝えるだけでなく、適切な評価ができるように知識経験を広めてもらいたいものである。

ことを最終的に決めるのは市民であり、市民の意識こそ肝心であるが、かって、石油コンビナートの進出を拒み、この地域の優れた自然環境を守り抜いた先輩市民がいたにもかかわらず、恵まれ過ぎた自然、都市環境に安住して、何事にも「おらは知らないよ」という退嬰的な市民意識が強まり、市政の刷新が遅れ、鉄道高架の混迷を招いてきたのではないのか、沼津市民は他人事だと只傍観しているのではなく、時代の厳しい変化を認識し、自らの問題として積極的に声を上げることが何より必要ではないのか。

20数年の混迷の時代を経て、今こそ沼津市民の市民意識の高さ、政治行政の責任感の強さ、民主主義、地方自治の機能、役割が強く問われる時である。故郷沼津の街を愛する元沼津市民として、一言申し上げたい。

    明海大学名誉教授  長谷川徳之輔 沼津市香貫生まれ、沼津東高 第7期、1959年建設省入省、道路局、計画局、経済企画庁、住宅都市整備公団等勤務、1985年 建設経済研究所常務理事 1995年明海大学教授、2010年退職。
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沼津市民へ議員へ

鉄道高架での川勝知事の妄言
 

 あの発言で川勝知事は、全くの素人の政治家、知事だということがばれて、鉄道高架の墓穴を掘ったことになると思います。唯我独尊の発言では国土交通省も、県と市の役人たちもついていけないでしょうし、鉄道高架事業が進む筈もないでしょう。推進するという結論ならば、事前に国、国土交通省、地元、沼津市との了解があってしかるべきであるし、キーパーソンに会って決めるというのも、どういう意味なのかよく分かりません。
そんな裏話をするのが問題で、裏工作なのか、相手は政治家や役人のことなのか、なんとも妙な話です。そんな裏話を語るのではなく、推進するというならば、その目的、可能性、事業の見通し、財源措置、市民・県民の負担などを少しでも納得がいくように話すのが当たり前、立ち話の記者会見で、喧嘩腰でやります、やりたいというだけでは、全くの素人の知事であることを、県民、市民に見せてしまっただけです。本来、鉄道高架については、知事は調整役であり、主体ではない筈、大所高所からの調整役の判断こそ期待されるのであり、自ら喧嘩に乗り出す立場ではなかろうと思います。なんとも危なっかしい素人知事で、みていられないというのが、私の人物評ですし、もともと歴史や文化のかっこいいことが専門の文明評論家で、政治家や行政官には遠いい人物だと思いますね。
 キーパーソンに国土交通省の高級官僚がいるのだろうか、いても裏工作なんかやる筈もない。
実は沼津東高の後輩で、今度の人事で局長を超える政策統括官に就任した官僚がいます、清廉潔白なクリスチャンで、仕事は高度のレベルの政策の総合評価、調整を行い、政策の見直し改善を進めるという大事な役で、彼にもかねてから沼津の事情を故郷の出来事として、情報提供していましたが、今度も資料を渡しています。政策、計画の見直しを進める責任者というのも、皮肉な話だと思いますが、多分、川勝知事が言うキーパーソンではないでしょう。でも、実に適切なポジションにいます。

 知事、市長、議員、役人、マスコミ、市民の姿勢を問う
 川勝知事の沼津駅鉄道高架の推進か見直しかに関する判断にあたり、知事として諸情勢を観察し、鉄道高架の計画、事業を熟慮、熟考した結果、推進する決断をしたというのは、あまりに自分勝手な言い方であり、その言い分、姿勢は理解の外である。何をおいても、一番肝心な判断は、鉄道高架事業の目的、事業の効果、必要な費用、その負担などをどう見て、どう評価したのかの説明であり、それは何も説明されてはいない。政治力学からなのか、既得権に縛られているからなのか、只推進することに決めたというだけの学者らしからぬ実に乱暴な結論の出し方ではないのか。有識者会議やPl委員会の論議に留まらず、これまで積み上げられてきた論議や意見などを知事はどう理解し、評価しているのか、熟慮、熟考したというならば、具体的な数字もあげて、しっかり説明しなければなるまい。
 県会議員や市会議員の政治家の判断はどうなのか、推進することに同意するという言は、ほんとに県民、市民の利益と負担を十分に知った上での判断なのか、体制への付和雷同、既得権の擁護や過去のしがらみに囚われた政治家の事なかれ、利害損得の立場からの主張ではないのか。経済社会の大変動の中で、財政が窮迫している人口20万人足らずの地方都市に2000億円もの新規投資ができるし、やるべきであると、自分の意見として本心からそう考えているのだろうか。議員一人一人の意見を聞いてみたいものだ。
 都市計画、街づくりの専門家、プロたち、国、県、市には役人として、その知見を発揮する人材がそろっている筈である、街づくりへの知識、経験が十分で公正な評価、判断ができるプロフェショナルである。この10数年、鉄道高架の計画づくり、事業実施について、プロとして、彼らは何をしていたのか、内心忸怩たる意識はないのか、政治が混迷する今だからこそ、専門家プロとしての、見識を発揮すべきだと考えないのか。
 適切な世論を形成するのは、メディア、マスコミがどう報道するかにかかっている、本来マスコミには公平公正で中立的な立場が求められるものの、自らの判断、評価をすることもマスコミの重要な役目であろう。それには、しっかりした取材と分析評価する知見が欠かせない筈だ、地方の記者は若くて、経験不足であるのは否めないが、鉄道高架に関する体制の報道をただ伝えるだけでなく、適切な評価ができるように知識経験を広めてもらいたいものである。
 ことを最終的に決めるのは市民であり、市民の意識こそ肝心であるが、かって、石油コンビナートの進出を拒み、この地域の優れた自然環境を守り抜いた先輩市民がいたにもかかわらず、恵まれ過ぎた自然、都市環境に安住して、何事にも「おらは知らないよ」という退嬰的な市民意識が強まり、市政の刷新が遅れ、鉄道高架の混迷を招いてきたのではないのか、沼津市民は他人事だと只傍観しているのではなく、時代の厳しい変化を認識し、自らの問題として積極的に声を上げることが何より必要ではないのか。
20数年の混迷の時代を経て、今こそ沼津市民の市民意識の高さ、政治行政の責任感の強さ、民主主義、地方自治の機能、役割が強く問われる時である。故郷沼津の街を愛する元沼津市民として、一言申し上げたい。
 2014.7.23 長谷川徳之輔

鉄道高架は誰かが裸の王様だと言えば終わる話

鉄道高架は誰かが裸の王様だと言えば終わる話

 大きいことはいいことだという高度経済成長の時代に計画された人口20万人の都市には破天荒の規模の箱もの事業、2000億円の費用、20年の年月を要する公共事業の「沼津駅周辺鉄道高架事業」は今になっても、川勝知事も栗原市長も何も決められず、20余年も只店晒しのまま、紛争の種になって市政の混迷が続いている。元々馬鹿げた事業、何のためになるのか分からない箱もの事業で、公共事業として市民がその費用を負担しても、作られる施設は高架橋梁、新貨物駅、新操車場などさして利用価値があるとは思えないJRの施設ばかり、市民の利益は20年先に交通事情が改善されるかもしれないというメリットだけ、今の時期、市民には何の恩恵のないそんな事業を、衰退する沼津を再生する事業だという大義名分を掲げて、将来の子供や孫のためにもやるべき事業であり、経済財政事情からも実現できる事業だと、ほんとに心からそう思っている人は、川勝知事、栗原市長のみならず、おそらく市民の誰にもいないであろう、いたとすればよほどの理解力に欠ける馬鹿者だし、本心ではそう思っていないのに、しがらみや立場上でそういうならば、いかさまペテン師、詐欺師の類の話だと思われても仕方なかろう。沼津駅周辺鉄道高架事業は嘘だと分かっていても誰も正直に嘘だと言えないイソップ物語の裸の王様であり、誰かが正直に鉄道高架、王様は裸だといえば、それで話は終わるのだ。

 行政は結論の先伸ばしのためなのか、専門家、有識者の客観的な評価を経る、市民との対話を図るという建前で、有識者会議やPI委員会での論議を続けてきており、曖昧模糊としているが、一応その結論も出て、今は政治、行政が決断する段階にあるに係わらず、いまだに、どうするのか決められず、不透明な空気が消えていない。今こそ、市民の間にいらぬ不協和音を生み、20数年続いてきた無責任、無意味な論議の収束を図る時である。この時こそ、本来鉄道高架事業に利害損得のない立場にいるリーダーの政治的力量が発揮されてしかるべきで、後始末の損な役をさせられるだけの川勝知事と栗原市長は、過去のしらがみに囚われて、優柔不断にただ先伸ばしを図り、その責任を県だの市だのと互いに押し付け合うのではなく、相互に真剣に本音を話し合い、如何に結論したら県民、市民の利益になるのかを二人の判断、評価として県民、市民に表明すべきではないのか。それをするのがリーダーの責任というものである。

 川勝知事からは、時代の大きな変革の中で自治体の置かれている経済財政事情の現状、施策の方向を語り、栗原市長からは東部地区の一体化、街づくりの道筋を語り、その中で鉄道高架事業をどう具体的に見直していくのかを示すことであり、あるいは、なお推進するというのであれば、その可能性、市民の負担、取るべき政策を明確にして、川勝知事、栗原市長が二人そろって、政治、行政の方向を県民、市民に明確に示し、説明してしかるべきであろう。確かに判断に当たっては、過去の経緯から国、県、市、JRの間の利害損得の調整、財政損失の処理、行政政治の責任など様々な課題が山積しているであろうが、もはや無責任に先伸ばしを続けて、責任を回避することは、できはしない。さらに、ことに当たってきた県、市の役人、専門家も、プロとしての識見を発言すべきであり、市議会も逃げ腰で、だんまりを決め込んで目をつぶることなく、自らの判断をしっかり論議することであり、沼津市民も他人事だと只傍観しているのではなく、自らの問題として積極的に意思を表明することである。今こそ、沼津市民の市民意識の高さ、政治行政の責任感の強さ、民主主義、地方自治の在り方が強く問われる時である。沼津の街を愛する元沼津市民として、一言申し上げたい。

   2014.7.14    長谷川 徳之輔  明海大学名誉教授
               沼津出身、元建設省勤務、社会工学専門

故郷沼津への誇りと自信を取り戻そう

2014.6.29

                     明海大学名誉教授  長谷川 徳之輔

鉄道高架を超えて、故郷沼津への誇りと自信を取り戻そう

1 聴くに忍びない沼津の衰退、落日ぶり

 かって、沼津の地は知名度の高い東海道の雄都、自然環境に恵まれ、農工商住・教育文化にバランスの取れ、誰からもがいい街だと評価されていた町であった、それが今、人口は減少、経済は低迷し、三島の郊外の名のない衰退した地方都市のイメージの街だと思われている。静岡県の3都市、浜松、静岡、沼津は、遠江、駿河、伊豆の3国の地にあり、市民性、気質の違いから、世評では、犯罪者に例えるなら、浜松は強盗、静岡は詐欺、沼津は乞食だと、浜松のパワー、静岡の知性に比べて沼津は何事にも他人頼りの消極的な街だと揶揄されてもいるようだ。残念ながら合併も刷新も進まない、沼津の立ち遅れ、退嬰的な市民性、何事にも2番煎じ、3番煎じ、鉄道高架も浜松、静岡の次が沼津の番という言う負け犬根性から始まったのかもしれない。

 このような沼津への市民の嘆き、落胆の声が聞こえるが、何時までも市民意識を分断している鉄道高架に拘泥しているのではなく、沼津の再生のために、もっとほかの道を探るべきであり、どうしたら沼津市民の故郷、沼津への誇りと自信を取り戻すことができるのか、岡目八目かもしれないが、元沼津人として考えてみよう。

面積   人口    人口密度     東京から  運賃 

浜松     1558㎢    80万人   513人/㎢    120分   7770円 

静岡     1412㎢    72万人   506人/㎢    90分   5800円

沼津      187㎢    20万人  1070人/㎢    60分   4000円

周辺5市町   350㎢    43万人  1214人/㎢    60分   4000円

沼津の人口は減少し、都市機能が周辺へ拡大しても、周辺5市町で観ば、なお成長の過程にある。沼津、三島、長泉、清水、函南の5市町は、市街地が連担し、地理的にも、経済社会的にも、生活圏でも、一体とした街であり、一体として機能すれば悠々浜松、静岡を凌駕する自治体であるが、行政区分の分断と市民意識の立ち遅れが、地域の成長を阻んでいる。現実には、新幹線三島駅を中心に、東駿河湾環状道路が、この地域の一体性を形成しており、東海圏より、東京圏、首都圏との一体化、西の拠点としての機能が強い地域である。交通では、東京へは浜松に比べて、時間半分、交通費半分の日常生活圏であり、新幹線通勤圏がいっそう強まる。

2  沼津と三島、双子都市、姉妹都市でも微妙な格差意識

 沼津は駿河の国の辺境の地、三島は伊豆の国の国府、府中であり、別の国、国堺は清水町の境川、天領と小藩、国府と辺境、直参と陪臣、大社と神社、微妙な格差が生んだ地域意識がある。交通が生んだ格差の転変、明治22年の東海道線開業、沼津を交通の拠点、沼津機関区、お召列車の停車する1等駅、最高のリゾートとしての沼津御用邸の権威、沼津中学の教育が沼津の中心性を作り、伊豆駿河の生活、経済の拠点都市の成長へ向かい、他方、三島は鉄道から見放され、宿場町を転落、昭和8年丹奈トンネルが開通し、富士山を形どった新駅が生まれるが、沼津に追いつかず。ずっと従属的だった、沼津へ通勤し、通学するという格差が三島人の自負心を痛めていた。

 昭和39年東海道新幹線の開業で事態は逆転する、三島に駅が作られ、沼津を通過する、沼津機関区は廃止され、交通の拠点性を失い、駿河湾の環境悪化で沼津御用邸は下田に転出し、沼津中学、沼津東高は、学区制からも伊豆駿河の中心性を失う、交通、権威、教育、文化の機能が薄れ、教育、医療、商業、文化の都市機能は次第に駅北方面、愛鷹方面、周辺都市に移り、マイカー、車社会の到来で中心市街地は繁栄を喪失し、沈滞化して、人口は減少、若年層は周辺へ向かっていく。工業機能は減少し、経済商業活動も停滞し、シャッター街が日常化して、中心市街地の衰退がますます強まっている。古き沼津への誇りと自信が失われていく。しかし、周辺5市町を単位にすれば、この地域はなお人口は増加し、成長の過程にあり、医療、教育、文化、工業などの都市機能の分散、分担が進んでいる、沼津は衰退したのではなく、都市の成長に伴い、その機能を周辺に分散、拡大しているとみることも出来よう。

3 5市町一体的な都市、海山川の自然、最高の景観、スイタリアとも言える街

 愛鷹山からも、箱根山からも、香貫山からも、この都市を見下ろした時、日本一、いや世界一の自然環境・都市環境に恵まれた街の姿が一望できる。牛臥山の小さな丘陵から伊豆の山々、箱根山連山、愛鷹山につらなる山稜が一望され、平野に清流の狩野川が北流して、駿河湾に注ぐ、市街地の向こうには群青の駿河湾が広がる、そして、その背後に富士山の雄姿がそびえ立っている、最大のインフラの2本の高速道路と新幹線が北の丘陵を走っている。

 高さ3776メートルの富士山から深さ2500メートル余りの駿河湾まで、高低差6000メートルの自然が一目で展望できるのだ、6000メートルの高低差の生む四季の自然、食材の豊かさ、山海のグルメ、山登り、スキーからヨット、ダイビングまで、この地域で一挙一刻に手にできる。このような豊かな自然に恵まれた地域は、日本はおろか世界にもなかろう、スイスはアルプスの山だけ、イタリアナポリは地中海の海だけだ、この地は6000メートルの高低差のある自然が目の前にあるのだ、言ってみれば、この地域は最高のリゾート地、スイスもイタリアの合わせたスイタリアとも言ってよかろう。この地域にスイタリアの評価を定着させたいものだ。

4 沼津アルプスと沼津リビエラ、皇室御愛用の景勝地なのだ。

 先日のニュース、皇孫妃の愛子さまが駿河湾の海を称賛されていた、皇太子さまは、沼津アルプスを縦走されたということである、いや散策されたのかもしれないが、皇室の親子がそろって沼津の自然を愉しまれて、称賛されたとのこと、沼津の海山川の自然が、皇室御愛用の地と評価されたと見てよかろう。お二人が愉しまれた沼津アルプス、沼津リビエラの方がバラバラに集めた沼津百景よりずっとインパクトが強かろう。沼津御用邸の威光はまだ残っている。海には名称がないが、沼津アルプスに合わせて、とりあえず沼津リビエラ海岸とでもしておこう。

 沼津のイメージづくりに、皇室の権威に便乗する折角の好機である、沼津アルプス、沼津リビエラに関する興味深く洒落た情報を、グルメや温泉案内も含めて、地図、写真、映画、パンフ、観光案内などにして旅行社、マスコミ、商工会議所、外国大使館など広く世の中に知らせることにしたらどうだろうか。海の日に加えて山の日も、国民の祝日になっている、東京の高尾山は外国観光客に超有名な名所だそうだ、うまく演出すれば、この地はグルメも温泉も愉しめる東京近郊の一日周遊圏として、山の沼津アルプスも海の沼津リビエラも超、超有名な名所になれるかもしれない。

5 芙蓉市、ふよう市、FUYOU・CITYの奨め

 あらゆる意味で一体的なこの地域が、何故合併も一体化もしないのか、残念ながら、この地域には、その気運に乏しく、地域の小事の利害に拘泥し、リーダーシップの欠落から、この地域の市民生活や経済社会活動に対応する地方自治体が形成されていない。政令指定都市になった浜松、静岡との地域格差は、ますます拡大している。たとえ5つの市町が合併して、単独の都市になったとしても、合併後の自治体の名称をどうするのか、沼津市にしろ、三島市にしろ、そう簡単に合意されないし、伊豆市にしても駿河市にしても、歴史的な利害は収まらない。伊豆市も、富士市も、既に存在している。一体化へは、地域住民に一体感をもたらす新しい地名を市民が一体となった論議することから始めたらいい。

 この地域にふさわしい名称は何をさておいても、富士山をイメージするものだが、富士山には富士市も、富士宮市もあり、富士は使えない。しかし、富士山には、不二とか別名があり、古来からの名称に「芙蓉」という表現がある。芙蓉とは楊貴妃の美しさを連想させる蓮の花の一種で、何故富士山を芙蓉の峰というのか、神秘的で美しい山、峰ということから言われたらしい。芙蓉こそこの地域にふさわしい名称であり、両市民から共通の評価を受けられよう。新しい都市の名称は、「芙蓉市、ふよう市、FUYOU CITY」としたらどうなのか。こんな地名を話題にして、この地域の将来を市民に語ってもらいたいものである。その前に、もっと簡単な一体化の方策もある、新幹線の駅名を三島沼津駅に、東名高速道路の沼津インターを沼津三島インターに、新東名の長泉沼津インターを東駿河湾インターに改称してみることも考えたらいい。

6 沼津駅周辺鉄道高架事業の終焉への川勝知事、栗原市長のリーダーシップこそ

 大きいことはいいことだという高度経済成長時代に計画された、2000億円の費用、20年の歳月を要する箱もの公共事業の沼津駅周辺鉄道高架事業、20年余りも棚ざらしであり、その費用を沼津市民が負担しても、作られる施設は高架橋梁、貨物駅、操車場とJRの施設ばかり、今の時期、市民にはその恩恵が何もない箱もの事業を、沼津の再生のためだとの大義名分で、未来のためにやるべき事業だ、経済財政事情から実現できる事業だと、ほんとに心から思っている人は、恐らく誰もいないであろう、いたとしたら、よほどの理解力欠けた馬鹿者だし、そう思っていないのに立場上でそういうならいかさまペテン師、詐欺師の類と思われても仕方がなかろう。沼津駅周辺鉄道高架は、イソップ物語に言う裸の王様である。誰かが王様は裸だと言えば、それで終わりなのだ。

 今こそ、市民の間にいらぬ不協和音を招き、20数年も続いてきた鉄道高架事業の無責任、無意味な論議の収束を図る時である。この時にこそ、事業に利害損得のない地域のリーダーの政治的力量が発揮されてしかるべきであろう。後始末をさせられるだけの立場の川勝知事と栗原市長は、その責任を互いに転嫁し合うのではなく、相互に話し合い、如何に結論したら県民、市民の利益になるのかの方策を二人の意見として表明すべきではないのか。

 川勝知事には、時代の変革の元で、経済財政事情から地方自治体の置かれている現状、施策の方向を語り、栗原市長には、東部地区の一体化、街づくりの方向への道筋を語り、その中で、懸案の沼津駅周辺鉄道高架事業をどう見直していくのか、知事、市長がそろって、政治、行政としての方向を県民、市民に説明し、明示して欲しいものである。確かに、国、県、市の間の損得利害の調整、失われた財政損失の処理、行政当局の責任など解決には様々な問題が山積していると思われるが、もはや無責任に先伸ばしを続けて、解決を回避することはできまい。沼津市民も只他人事として傍観するのではなく、自らの問題として、その解決に意を払うべきであり、市議会でも逃げずにしっかり議論してしかるべきである。それが行政、政治の責任である。今こそ、沼津市の市民意識、民主主義、地方自治の在り方が強く問われる時である。


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