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第5章3

Q3新貨物駅,新車両基地の原問題の本質は何か?

 

A3

①原地区の新貨物駅,新車両基地は市民の負担でJRが丸儲け

1)巨大な新貨物駅,新車両基地ができる

この事業で特に問題なのは,原地区で行われる新貨物基地と新車両基地の問題です。新貨物駅は,鉄道高架化に伴い現在の沼津駅にある貨物機能を原西部(原新田,一本松,桃里)に移転するもので,ここに11.9ヘクタールの面積に,コンテナーホーム2,列車発着3,駅舎などを整備するものです。新車両基地は,今の沼津駅の車両基地を片浜地区(西間門,小諏訪,大諏訪)に移転するもので,5ヘクタールの土地に10数本の電車を留置させる線路を設置する事業です。

2)JRの独り儲けになる

この二つの施設の移転は,高架化事業の伴うJRに対する補償措置として行われるものです。この費用の負担について,建設省と運輸省の協定では,貨物設備等移転費として,既設相当分の施設の移転費は都市側,沼津市が負担し,用地造成費は鉄道側のJRが負担し,そして鉄道の増強分は鉄道が負担すると決められています。この協定に従って,原西部の新貨物駅は,その費用が101億円,うち沼津市の負担は79億円,JRの負担は22億円と算定されているようです。用地費造成費は鉄道側の負担ですから,沼津市が買ったこの土地と現在の貨物施設の土地を交換すると言う約束になっています。しかし,交換する土地の面積を沼津市が負担した費用で割ると,買収単価は恐ろしいほど高いものになってしまいます。

3)市民の負担でJRの資産作りか

片浜地区の新車両基地は,すべて既設の施設の移転費用だとして108億円のうち107億円とすべてを沼津市が負担することになります。問題は,この施設がこの規模で必要かどうかということです。また,もし過剰の施設としたら,なぜ,沼津市の市民の負担で作らなければならないかということです。現在でも沼津駅の貨物取扱量は減少して,めったに駅で貨物車両を見ることができないほど閑散としていますが,将来の貨物量が新貨物駅の施設に見合うものかどうか,どのように利用されるのか,よく分りません。

新貨物駅,新車両基地を含めて,現在どのように利用されているのか,将来の利用がどうなるのか,沼津市もJRも市民にしっかり計量的な説明をすること必要です。

 

②先取りの鉄道輸送,せっかくの施設は役に立つのか

1)役に立たない新貨物駅

鉄道輸送の現状を見ても,沼津市に,これだけの大きな鉄道施設,新貨物駅と新車両基地が必要な理由がよく分かりません。将来の経済社会の動向から見ても,貨物輸送がこれ以上に増えることはありませんし,30年先に鉄道貨物輸送がどんな役割を果たすのか不透明なのです。歴史を見ると,JR国鉄の貨物輸送量は1970年には,2億トンで総輸送量の4.3%を占めていましたが,2000年時点では4,100万トンと5分の1にまで減少してしまっています。最近,駅では重く,かさばる荷物を積んだコンテナー列車の行き来を,たまに見かけるだけです。

2)東京の汐留,飯田橋の鉄道貨物施設は廃止されている

東京の汐留,飯田橋の鉄道貨物施設は廃止されて,土地利用は壮大なシオサイトに劇的に変化しています。貨物輸送の未来がどうなるか分からない中で,沼津のような,今でも貨物列車をあまり見かけない地方都市に,現在の3倍もの規模になる新貨物駅,新車両基地がなんの役に立つのか,不思議でならないのです。

 

③反対する土地は強制収用ができないはずである

1)法律では不可能な強制収用

もう一つの問題は,この17ヘクタールの土地を,もし地権者が反対しても,公共性があるからといって沼津市が強制収用することが可能なのかどうかです。それはやはり無理でしょう。この施設は,あくまでも鉄道高架化事業の補償として行われるものであり,本来は,施行者の静岡県が静岡県の費用で補償すべきものです。多分,静岡県にはその意思はないでしょう。用地買収も沼津市に押し付けたままです。そのための費用は,協定上,沼津市の負担とされていますが,沼津は施行者ではなく,土地収用法上,強制収用の主体にはなりえません。静岡県としても,補償措置の事業の土地を強制収用することは,補償施設には収用権は及ばないと言う土地収用法の考え方からしても,できないでしょう。

2)この工事は元々は,JRの仕事である

これは,元々は,JRの仕事だし,土地買収なのです。ということは,万一,土地所有者が,この土地を売らないという時はこの事業は,成立しないことになります。

 

④ふに落ちない市の説明

市の説明ですと,新貨物駅の取扱貨物量は年間40万トンということです。現在の施設の利用量は,年間4万トンでその取扱可能量は1年間70万トンということで,70万トン分を補償しなければならないところを40万トンという今の利用量の10倍の機能を補償するということです。これでは,新貨物駅はほとんど利用されない無用の長物です。

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