第7章
「市民と市役所は良きパートナーシップが必要」
Q1
沼津市の基本構想はどうなっているのか?
A1
①もっと情報公開をし,そして市民参加が必要
1)「住民投票」を求める市民運動こそ"民主主義"である
鉄道高架化事業について住民投票を求める市民運動は6万人に近い市民の賛同を受けたもので,まさに,住民投票は,沼津市民の民主主義の発揮と行政の情報公開,透明性を確保する試金石であったと思います。問題の本質論が不在で,市議会においても必要な論議も見えないままに,市民と市議会が対立だけに終わってしまったのは実に残念でした。
2)感情的な不毛の対立をやめて,「眞の市民の利益」を考えよう
いたずらに賛成派,反対派とも感情的な不毛の対立をせず,真の市民の利益を考えて,行政,市民が一体になって望ましい沼津駅周辺鉄道高架化事業のあり方の論議を尽くすべきであると思います。これだけの大きな事業に対して,半年や1年の時間を惜しむべきではありません。市民運動は,市の方針や事業の必要性,意義などについて沼津市当局,静岡県,JR貨物会社のさらなる情報公開を求め,事業の賛否への市民の理解を深めることであり,沼津市がやるべきことは,市民の声に謙虚に耳を傾け,論議を進める機会を作ることです。そして費用対効果など情報をもっと広く市民に公開し,市民を説得し,その理解を得ることです。16年前に決めた既定の路線だとして,半年や1年でいたずらに事業を急ぐことではないでしょう。
②沼津市の立派な基本構想で市民と市政の関係をきずく
1)市民と行政の関係
沼津市の基本構想では市民と行政の関係について,次のように記述しています。
「沼津市の基本構想
市民と行政が目標を共有し、都市の主体である市民と行政が、それぞれ果たすべき役割を担いつつ、今なすべきことは何か。自ら何が出来るかを常に考えながら、そのためには、市民と行政が円滑な意思の疎通を図りながら、相互に自らを高め合う努力を怠ることなく、信頼関係に基づく良好なパートナーシップを築き上げていかなければならない。
行政は市民の視点に立って、自らを律し、創意を図り、効率で明確な行政サービスの提供が図られるように、たゆみなく自己改革を進めていく必要がある。市民の間においても、多様な価値観を尊重しつつ、利害調整の確立を目指して、自ら知恵と力を活かす市民自治をいっそう進めていく必要がある。
沼津市の交流拠点都市としての役割を担う一方、市民の広がりに伴う行政サービスを効率的に提供していくためにも、つねに広域的な視点を持った街づくりを進めていく。」
2)基本構想は,その通りで,まさに名言
沼津市の基本構想はその通りであり,まさに名言ですが,今の都市計画について,行政はこの理念に沿っているといえるのでしょうか。今大切なことは,対立を煽ることではなく,この事業の意義,効果,問題点をもっと明確に論議し,市民の負担と受益の関係について市民の理解を深めることであり,さらにマスメディアの働きにも期待して,市民の論議,理解を深める運動に向かうことだと思います。そのためには,事業主体である静岡県に対して費用対効果などの説明,情報公開を求め,周辺市町村の当事者や市民の見方,評価を知り,さらに地元選出の国会議員の諸先生達の論議への参加を求め,意見を聞いてみることではないでしょうか。
③もっと市民へ「説明責任」を果たせ
市役所は,鉄道高架化事業への市民の理解を求めると言うことで,数多くの綺麗なパンフレットを作っています。市の広報にも,市の見方や方針が毎号掲載されています。それはそれなりに,良いことですが,もっと問題点や反対派の市民の見方も公平に掲載すべきですが,残念ながら問題の本質的な情報公開は見えてきません。肝心の「費用対効果分析」の情報資料はどこにも見当りません。市民の理解を求めることは是非必要ですから,ただパンフイレットを垂れ流すのではなく,きちんとした説明を市民の求めに応じて行うべきではないでしょうか。賛成の市民団体への補助金ばかりでなく,逆に反対派の市民にも,発言のための費用を支出することが公平ではないでしょうか。PR
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