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第3章ー2

沼津市の抱える都市問題とは?

A2

①沼津は衰退顕著な典型的な地方都市

1)昔の知名度が低落する

豊かな,住みやすい沼津市は,,大きな問題を抱えています。人口20万人,面積180平方キロの地方中核都市は,産業活動の停滞,人口の流出で市の中心性を失い,指導力が失われ,孤立した静岡県東部の中都市になってしまっています。多くの国民は,「新幹線が止まる三島は知っていても,沼津なんか知らない」と言います。

 

2)明治時代の三つの象徴を考えよう

昔の沼津の知名度は地に落ちているのです。明治時代,交通の中心の沼津機関区,権威の中心,健康イメージの沼津御用邸,伊豆駿河の秀才を集めた沼津中学の三つが創設されて,沼津の象徴として,知名度を高めていました。この三つの都市機能が,沼津の都市の中核を担っていました。しかし,戦後,新幹線から見放され,海は汚れて御用邸は下田へ転出し,学区制で沼津中学の中心性が消えて久しいのです。今では,沼津市民の誇りは消えて,三島の近くの田舎町という評価が定着しかねません。

 

②人口減少,中心市街地の空洞化

1)かつての沼津の誇りが喪失する

東部地域全体では人口が増えているのに,沼津市の人口だけは,この20年減り続けています。商業機能も劣化して,シャッター街いわれるように,,繁栄した本町,大手町の城内の中心市街地の空洞化が進んでいるのです。私の友人たち,沼津東高の同級生には,城内の1,2中の卒業生は数十人おりましたが,今でもその地域に住み続けている友人は数人しかおりません。皆,周辺都市や東京へ転出してしまっているのです。

 

2)全国で進む市街地の郊外化が進む一沼津は特にひどい一

マイカー普及,地価の高騰等で市街地の郊外化が進み,人口の減少,工場の撤退など経済活動の不振は,全国の都市に共通する問題ですが,沼津は特にひどいと思います。工業活動,商業活動,観光活動ともに,著しく衰亡し,文化性,教育水準の立遅れからも市民の沼津への誇り,自信も薄れていると思います。

 

③「南北問題」は鉄道がその原因か一伝統的な中心地

「南部」と新開地の「北部」一

1)鉄道による分断が原因か

自動車交通の発達,地価の高騰から市街地は郊外へ拡大してきました。人口は郊外へ転出し,新開地の北部地域が繁栄して,伝統的な中心市街地の南部(城内)の衰退が顕著になって,沼津市内にも「南北問題」と称する地域の分断,南北格差が生じています。それは,自動車交通の進展,大型店舗や病院,学校の郊外移転という構造的な問題から生じているのであり,北部地域の住民が城内,中心市街地に来る必要がないことから生じているのです。

沼津市でも,市立病院,沼津東高,歴史博物館などの公共施設が北部に移転しています。しかし,中心市街地,城内地域の衰退は,東海道線,御殿場線の鉄道線路が平面交差で,物理的に市街地を分断していることが原因であると言う認識から,南北格差を鉄道の高架化事業化で解消しようとする動きにつながっているわけです。

 

2)100年以上続いている鉄道の分断だけが原因ではない

鉄道による分断が原因だといいますが,鉄道による分断は,今に始まったわけではありません。南北の地域は,東海道線が開通した1890年から120年間遮断されていますが,戦前から3本の地下ガードで連絡されています。また,「南北問題」は,高度経済成長期の郊外展開の都市形成という構造的な問題から生まれたもので,単純に,物理的に鉄道で分断されているから生じたのではないでしょう。最近の「街づくり三法」では,公共事業に依存せずに,中心市街地の振興に都市機能の郊外化をやめて,都心居住を進めようと,郊外での開発を抑制し,これまで郊外に転出していた病院,学校,文化施設などの中心市街地回帰を図ろうとしています。

 

④広域都市,自治体行政の割拠の問題

 

1)小さい自治体行政の割拠「協調より対立一

なぜ,沼津市は,広域市街地を形成している三島市,長泉町,清水町の周辺市町と一体になれないのでしょうか。駿河の国と伊豆の国という気候風土の違い,天領,幕臣と沼津藩,陪臣という住民感情からかもしれませんが,何事も協調より対立が目立ち,大合併へ向かう動きは鈍いと思います。平成の大合併でも,伊豆に,伊豆の国市,伊豆市が生まれましたが,肝心の沼津,三島という中心都市の大合併は不発に終わってしまいました。都市間に不協和音が生まれて,これからも,しばらくは,コップの中の争いの小規模な都市の割拠が続くでしょう。東伊豆,南伊豆,西伊豆,中伊豆はあっても,北伊豆はなく,伊豆の玄関は三島市であり,自動車に伊豆ナンバーが生まれるなどもあって,沼津市は,伊豆,駿河の中心都市,リーダーとしての力を失い,今や蚊帳の外に置かれています。

 

2)立ち遅れた東部地域の沼津市

静岡県の3大拠点都市(沼津,浜松,静岡の三市)だと自負していた沼津市ですが,西の浜松市は,1,511平方キロ人口78万人の都市に成長し,中心の静岡市は清水市と一体になって面積1,374平方キロ,人口70万人の大都市に成長して,いずれも,大合併で政令指定都市へ昇格しようとしています。これに対して,東の沼津市は,187平方キロ,20万人の中都市のままであり広域都市は成立せず,東部地域の立ち遅れの要因ともなっています。

一体的な市街地を形成している東部4市町(沼津市,三島市,清水町,長泉町)で見れば,面積は285平方キロ,人口40万人の中核都市を形成できるのであり,一日生活圏の裾野市,函南町を含めれば,悠々,浜松,静岡に匹敵する50万大都市が形成されるのに,沼津市が東の拠点都市になれないのはなぜでしょうか。

 

⑤何故,豊かな自然環境が生かされない

,,川に囲まれた沼津市,その中心の狩野川の歩み橋から周囲を眺めると,富士,箱根,伊豆の三つの国立公園が一望にして展望できます。素晴らしい山,,,こんなに豊な地域は他にはあまりないでしょう。あらゆる条件に恵まれ,日本一住みや.すい町のはずなのに,なぜ,沼津の町の衰えが激しいのでしょうか。いくつかの指標で沼津の実態を客観的に見てみましょう。

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第3章ー1

第3章「年再生の救世主になるか・地方都市での鉄道高架化事業」

Q1沼津市ってどんな町か?

A1

①日本一のいや,世界一の恵まれた都市環境

1)産業,健康文化のバランスのとれて住みやすい地方都市

ところで,沼津ってどんな町だろうか?と聞かれたら,次のように,紹介できます。「日本で一番恵まれた都市環境にある,面積179平方キロ,人口20万人の日本列島の中心,東海道に位置する歴史ある地方中核都市で,めったに雪が降らない温暖な気候,豊かな産物に恵まれ,産業,健康,文化などすべてにバランスの取れたもっとも住みやすい地方都市である,いや,でありました。」と言えます。

 

2)沼津は「山のスイス」,「海のイタリア」が一緒になった"スイタリア"といえる

沼津は,まさに世界一の恵まれた立地条件の誇れる町です。富士山の高さ3,700メートルの山,駿河湾2,500メートルの海,6,000メートルの高低差があり,「山のスイス」と「海のイタリア」が一緒になった"スイタリア"ともいえる町です。富士山の裾野でスキーを楽しみ,車で3,40分走れば,駿河湾に着き,ダイビングができる,同じ日に,冬と夏が共存できる世界にも類のない自然に囲まれた都市環境が沼津市にあります。

 

3)「美味しい食文化」の花咲く地域

駿河湾の海に60キロの変化に富んだ海岸線を持ち,東・北・南に箱根・富士,伊豆の山々が展望でき,本州で一つの北流する狩野川の流れが駿河湾に注いでいます。豊かな自然の恵み、6000メートルの高低差に山海の珍味があります。駿河湾の魚を天城山のわさびで楽しむ贅沢さ,「美味しい食文化」が花咲く地域でもあります。

 

4)東京という大都市と沼津という地方都市の両方が楽しめる都市である

新幹線で東京へ1時間の至近距離にあり,顧客が東京へ吸収される面もありますが,市民は大都会,東京と沼津という地方都市の両方を楽しむことができます。沼津は既に東京首都圏の西のベッドタウンになっており,多くの東京勤務者が居住しています。ウイークデーは通勤,休みには,温泉,ゴルフが楽しめます。実質的には世田谷と同じであり,東京圏,首都圏へ通勤通学圏を形成しているのです。湘南の鵠沼に匹敵する住環境であって,保養地としての歴史もあり,湘南を越える自然環境,「超湘南の地域」と位置づけられます。

 

5)沼津の自慢は「海」,「山」,「川」,「空」

沼津の自慢を市の広報で見ると,これが一番が24,これが自慢が47件あり,海岸線の長さ,湾の深さ,柿田川の湧き水など自然環境の豊かさをあげています。水道料金の安さ,ごみの分別システムなども自慢であり,住みやすい街を強調しています。

例えていえば,沼津の小学校の校歌には,「海」,「山」,「川」,「空」を歌う4番まであります。東京の目黒の小学校の校歌には,「空」しかありません。沼津はほんとに恵まれています。しかし慣れてしまった市民はその恩恵に気が付かないようです。

 

②幸せが天から降ってくる一退嬰的な市民意識一

 

1)「沼津乞食」の風土がある

でも,沼津市民には,「幸せは空から降ってくる」と思っている退嬰的な市民意識が強いと思います。よく静岡県の町の特性を,"浜松強盗","静岡詐欺","沼津乞食"の風土といわれるように,浜松の「やらまいか」の積極的な精神,静岡の知力,知性に比べて,沼津市民は,何事にも,消極的,受動的であって,進取の意気に乏しいのが,欠点だと思います。地の利から,新幹線も,国道1号線も,東名高速道路も,市民の負担なしに,黙っていても,一番,最初にできました。大きなプロジェクトは黙っていても国が作ってくれるので,欲張って公共事業をありがたがる気持ちも薄かったようです。

 

2)いつまでも続かないその豊かさ

高度経済成長期にも,環境保護から石油コンビナートを受け入れなかったように,昔から環境を大切に考える市民意識が続いてきています。これまでも,長い間,地の利,時の利で,産業活動は活発,経済も良好で,財政はそれなりに,豊かで,国からの交付税を貰わなくても,地方自治が運用できる恵まれた自治体でありました。長年,市民も行政も,豊かな環境に慣れ親しんでしまって,時代の変化に気が付かず,最近の財政逼迫の意識は低く,幸運だった時代の空頼み,人頼みの気運から抜け出せないでいます。

 

③公共事業が生んだ市民感情の亀裂

 

1)深刻な市民感情の亀裂が生じる

幸せな土地柄でありますが,最近,「箱もの事業」を巡って市民感情に亀裂が生じ,不協和音が聞こえてきます。鉄道高架化事

業をめぐって推進派と反対派の争いが激化し,沼津市と市民の間に円滑な話し合い,情報公開,協調の意識が欠けるままに,市民は鉄道高架事業の住民投票条例の制定を求め,市議会がこれを否決すると,議会,市長への不信任から市長のリコール運動にまで進んできていきました。

2)亀裂を解消し,市民の一体感を作ることが大切

,市議会の対応も,拙劣であり,市民にも事態の冷静で理性的な理解が不足するままに,鉄道高架化をめぐる市長派と反市長派という対立構造ばかりが広がり,市民の間にも深刻な市民感情の亀裂が生まれています。早く亀裂を解消して,何よりも市民の一体感を作らなければならないでしょう。

第3章

第3章

第2章ー4

Q4おざなりの住民参加,情報公開の現状は?

 

①建前だけのお座なりの情報公開,市民参加

建前では,住民参加,情報公開の仕組みが生まれていますが,地方自治体では本当に住民参加,情報公開が進んでいるのでしょうか。民主主義の原則に従った適切な住民参加,情報公開が進んでいるのかどうか,市民の疑問は消えません。行政,議会は建前では,住民参加,情報公開を積極的に進めるといっていますが,現実には,住民参加が行政への反対運動,抵抗運動として行われ,また,情報公開は,行政や議会にとって都合の悪いことを暴き,攻撃する手段として使われているという現実から,本音では,お座なりの住民参加,情報公開しか認めず,つとめて住民参加や情報公開を避けようとする意識が強いことは否定できません。

 

②「百戦百敗」の住民投票

とくに,公共事業をめぐる騒動では,事業の是非を住民投票で決めろという市民の声に対しては,地方自治,民主主義の仕組が市議会で十分に機能しているから,住民には複雑な利害を判断する能力がないからという理由で,住民参加を拒否してきているのが現実です。住民投票を求める市民運動はこれまで百戦百敗であり,建前だけの住民参加に終わっているようです。紆余曲折した四国,吉野川河口堰をめぐる住民投票は,それに一石を投じましたが,住民の意思を尊重するという旧建設省のせっかくの姿勢も,治水利水という国家の意思決定に,限られた利害しか有しない地域住民が立ち入るのは問題だという本音の中では,住民参加は建前で終わってしまっているようです。

第2章ー3

Q3消えない談合体質とは?

A3

①またまた発生,年中行事の談合事件

その典型は自治体での談合行為の横行です。確かに,公共の事業では,土木建築工事に限らず,公共が関与する仕事にはすべて,談合によって仕事が分配されるのは,当たり前のことだと認識されてきました。官庁契約に関する制度も運用も,建前と本音を使い分けて,政治政策は,業者が談合しやすい仕組みを準備してきました。誰もが,日本のビジネスでは官製談合が当たり前と言う認識だったでしょう。その原理原則は,既得権を認めて,仕事を公平に分配すること,フェアなシェアを維持することであり,競争を前提にした機会の公平を図る,フェアなオポテユニティーという欧米流の原理原則とはかけ離れていました。何よりも仲間内の公平な分配調整が大切だったわけです。

 

②百年一日の談合対策

10年前のゼネコン汚職が事態を大きく変えたかに見えました。知事や市長が逮捕され,政・官・業の癒着による官製談合は,国際的な批判を受けて,国際公約からも,談合を防止せざるを得ず,いやいやながらも,2001年に「公共工事入札契約適正化法」,2002年には,「官製談合防止法」まで作られて,契約プロセスの透明化,不正防止などの措置が決められて,表向きは,官製談合はやめたはずでした。独占禁止法も強化されて,罰則も強くなり,談合はやりにくくなったはずでした。しかし,施策は建前だけだったのでしょうか。最近でも,大手ゼネコンが談合をしないと表明している中で,福島県等で典型的な中堅ゼネコンの官製談合事件が発生し,改革派の知事までが談合に不明朗に絡んだと,辞職する騒ぎが起きています。

 

③福島県等の事件は氷山の一角,一罰百戒

世の常識では福島県,和歌山県等の事件は氷山の一角,一罰百戒の措置であり,どの地方自治体でも多かれ少なかれ,同じような構造が存在していることは常識です。国から,都道府県,さらに市町村になればなるほど,どの市町村でも,談合体質,利権構造は行政にしっかり定着しているといっていいでしょう。福島県の談合事件は,岐阜県の公金横領で前の知事が糾弾されたと同様,福島県が利権の王国化した県政だとして,旧い体質が幅を利かす自治体の右代表として摘発された談合事件で,出るくいが打たれた典型的な一罰百戒であると思います。

 

④「談合」は江戸時代以来,連綿と続いている仕組み

確かに,談合は,街中に談合坂という地名が見えるように,江戸時代以来の連綿と続いてきた仕組みであり,日本社会,日本のビジネスには不可避な行為なのであって,議員,首長の役目はいかにして,利権の分配を公平に行うか,いかにして談合を適切に進めるのかにあるといってよいでしょう。談合は,歴史的に作られてきた,日本の経済社会の宿痾()=持病と言ってもよいでしょう。旧い体質が残る地方都市では,その利権構造,談合体質を本当に変えられるのでしょうか。首長や議員さんたちの意識がほんとに変わるかが問われるのです。最近中国でも改革解放後約20余年汚職が続発しています。政治が安定していると官と民の汚職が発生するのは古今東西を問わずどこの国でも同じようです。

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